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商社は作らないからこそ「作る」!【商社は常に考えているのです】

投稿日:2019年11月10日 更新日:

商社は作らないからこそ「作る」!【商社は常に考えているのです】

おはようございます、ゆーじです。

最近は、忘年会の手配など、「本業ではないこと」の仕事もあって、なかなか忙しいです・・・

さて、先日、下記のツイートをしました。

  • 商社というのは自分たちで何か製品を作るわけではない。
    でも、だからこそ「作る」必要がある。
    つまり、どんな市場において、どんなルートを使って、どんな製品を売るかという「スキーム」を作らないといけない。
    自分の手で製品を作らないからこそ、頭でスキームを作る。
    そこに付加価値がある。


商社は、自らの手で製品を作ることはありません。

しかし、「スキーム」という点で、「作る」ということをしています。



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商社は作らないからこそ「作る」!

商社は作らないからこそ「作る」!

商社は、「スキーム」、つまり、「ビジネスの仕組み」を作っています。

例えば、どの市場に対してどんな製品を供給するのかを考え、そこから具体的に、どの企業から部品や材料を買うのか、あるいは、どの企業に対して、製品を売るのかなどといったことを考えます。

「どの市場に対してどんな製品を供給するのか」については、日本の製品を海外に輸出したり、海外の製品を日本に輸入したり、さらには、海外の製品を別の海外に販売する(三国間取引)なんて選択肢もあります。

もちろん、その一連の「買って売って」の過程の中で、次のようなことも考えます。

  • 製品の輸送ルート(どこの港を使うか等)
  • 製品を保管する倉庫はどこにするのか
  • 製品の保管期間(在庫期間)はどうするのか
  • 為替リスクの負担はどうするのか
  • 決済期間(買い先にいつ代金を支払い、売り先からいつ代金を回収するのか)

上記のようなことを考える際には、当たり前ですが、常に商社の「取り分」(マージン)を確保することも考えなければなりません。

十分な利益を確保できてこそ、そのビジネスに参入する意味がありますし、もっと言えば、継続的にそのビジネスを行い続けることができ、あるいは、投資してビジネス規模を拡大させることができるのです。

そして、一連のビジネスの仕組みを考えたら、取引先を巻き込み、実際に取引(ビジネス)を始めていきます。

「取引先を巻き込む」と一言で言っても、実際には多種多様な企業と関わることになります。

例えば、サプライヤーから部品を購入し、これを製品の組み立てを行う企業に支給して組み立てを行わせ、その出来上がった製品を運送業者に渡して運ばせて、顧客の近くに位置する倉庫業者に預け、顧客が「欲しい」と思ったときにすぐに製品を納入できるようにするわけです。

それぞれの企業が上手く役割分担をして、ビジネスがまわるように、商社は仕組みを作っていきます。

なぜ商社は「作る」のか

なぜ商社が上記のような仕組みづくりをするのかといえば、付加価値を生み出すためです

自らでは何か製品を作るわけではない商社は、「普通に売って買って」をするだけだと、さほど付加価値を生み出せないのです。

付加価値を生み出せなければ、社会への「お役立ち」ができないわけですから、社会から排除されてしまうことになります

※商社外しについては、こちらの記事をどうぞ。

あるいは、役に立たないなら、そもそもビジネスに参入させてもらえないでしょう。

そうすると、結局、商社は利益を手に入れることができず、廃業に追い込まれることになるわけです。

あるいは、「普通に売って買って」をするだけならば、誰かに簡単に真似されてしまい、競合が増えることにより、やはり利益を手に入れることができなくなります。

そのため、商社は、付加価値をつけ、誰かに真似をされたりしないように、「お役立ち」機能をできるだけ持つように工夫しています。

例えば、輸出入に関する煩雑な手続きを行ったり、原材料の在庫をあえて持つことで「ジャストインタイム」で顧客の工場に納入したり、あるいは、商社金融機能(買い先には早く代金を支払い、売り先からは遅く代金を回収する)なんてものが挙げられます。

商社は常に考えている

商社は常に考えている

商社は「いかにして付加価値をつけるか」ということを常に考えています。

より大きな利益が出るビジネスに参入するためには、より大きな付加価値を生み出さなければなりません。

それに、商社のビジネスは「劣化していく」ものが多いです。

世間のトレンドが変わることもあるでしょうし、技術が進歩して古い製品が売れなくなったりすることもあります。

もっといえば、せっかく取引先たちを巻き込んで、ビジネススキームを作ったとしても、そのビジネスの規模が大きくなっていくと、「マージンを抜く商社が邪魔になる(商社がいなければ取引先たちの「取り分」が増える)」ために、取引先たちが商社を締め出すこともあり得ます。

このため、商社は、常に新しいビジネスの種を探し、それを実現するための「仕組み」作りを考え続ける必要があるのです

まとめ

といったところで、まとめると、次の通りです。

  • 商社は、自分で製品を作らないからこそ、スキームを作る。
  • スキームを作るという点で商社は付加価値を生み出している。
  • 商社は「いかにして付加価値を生み出すか」を常に考えている。

それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、有難うございました。

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