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商社が排除される!?【商社ビジネスにはシビアな世界が広がっています】

投稿日:2019年11月19日 更新日:

商社が排除される!?【商社ビジネスにはシビアな世界が広がっています】

おはようございます、ゆーじです。

先日、下記のようなツイートをしました。

  • 商社は、直面するリスクが沢山。
    在庫リスク、為替リスク、禁輸リスクなど。
    中でも、取引先から「マージンを抜く商社は邪魔だから、商社は外そう」と関係を切られてしまうリスクは馬鹿にならない。
    だから、商社マンは、あの手この手でリスクの最小化に励むし、「リスクヘッジ」という言葉が好き。

商社ビジネスにはさまざまリスクが存在しますが、取引先から関係を切られるリスクというものもあります。

つまり、取引先から「商社は外そう」と考えられ、商流(ビジネス)から商社が排除される事態がしばしば発生します。

今日はそんな話を書いていきたいと思います。


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商社が排除される!?

商社が排除される!?

商社が商流(ビジネス)から排除される事態は、実際に起こります。

実際に私もそのような事態に何度も遭遇してきました。

そのような事態に対しては、商社側は必死の抵抗を行うわけですが、うまく危機を乗り切った場合もあれば、うまくいかずに、結局はビジネスから退場してしまう(退場させられる)場面も多かったです。

例えば、取引の流れ(商流)として、次のようなイメージのビジネスがあったとしましょう。

  サプライヤー → 商社 → 顧客

(サプライヤーは商社に製品を売り、商社はその製品を顧客に再販売する。)

上記の例だと、商社は、サプライヤーから仕入れた価格と、顧客に対して販売した価格の差額(マージン)が儲けになるわけです。

ここから考えられるのは、商社がビジネスから排除される理由は、やはり「商社はマージンを抜く存在」であるという点だろうと思います

商社が抜くマージンが無ければ、製品を売っているサプライヤーとしては、商社に売るときの値段よりも高く売って(商社が顧客に売るときの値段で売って)、より多くの利益を得ることができるでしょう。

また、顧客からすると、商社がいなければ、製品をもっと安く買える(商社がサプライヤーから購入するときの値段で買える)でしょう。

つまり、商社がいなければ、サプライヤーとしても、顧客としても、都合が良いのです

なぜ商社はビジネスに介在できるのか?

じゃあ、なぜそもそも商社がビジネスに介在できるのかというと、それは商社が抜くマージンに見合うだけの付加価値を提供しているからです

つまり、サプライヤーや顧客に対して「お役立ち」をしているのです。

例えば、決済条件でいえば、サプライヤーは製品を売ったら直ぐに代金を回収したいと考えます。

一方で、顧客は製品を購入しても、できるだけ遅くに代金を支払いたいと考えます。そうすれば、その製品の購入代金を、その製品を使って製造した自社商品を販売した儲けで支払うことができるからです。

このままだと、「早く代金を払ってほしい」サプライヤーと、「遅くに代金を払いたい」顧客が折り合えず、両者が取引をすることはできません。

サプライヤーと顧客が取引できないということは、サプライヤーとしても顧客としても、本来取引していれば手に入れることができたであろう利益を失ったことになります。

さらにいえば、両者が取引することで生み出されるはずであった商品やサービスが世の中に出ることが無いので、世間としても(ある意味)損をしていることになります。

そこで、登場するのが商社です。

商社は、サプライヤーと顧客の間に立ち、サプライヤーに対して早く代金を支払い、顧客からの代金回収は遅くまで(顧客が自社商品を売って現金化するまで)待つのです。

そうすることで、サプライヤーと顧客は取引を行うことができます。

上記の決済条件での仲介は商社のお役立ちの一例ですが、他にも商社は、契約条件や、為替リスクのマネージや、在庫の調整などの面で付加価値を提供しています。

しかし、排除されるときは排除されてしまう。

上記のように商社はお役立ちをしているわけですから、そのお役立ちが、商社が抜くマージンに見合っているうちは、商社がビジネスから排除されることはありません。

しかし、状況がかわり(例えば、顧客が代金を早く支払えるだけの資金的余裕を持つようになるなど)、商社が提供するお役立ち機能がさして必要でもなくなってくると、とたんに雲行きが怪しくなります。

商社が提供するお役立ち機能が必要でなくなるということは、つまり、商社の付加価値が小さくなり、商社がいなくてもよい状況に変わっているということです。

こうなってしまうと、サプライヤーや顧客から見れば、もはや商社は「付加価値を提供する存在」ではなく、「マージンを抜き取る邪魔な存在」になってしまいます

このようなときに、サプライヤーや顧客は、商社をビジネスから排除しようと画策してしまうわけです。

なので、そのような事態にならないようにするため、商社は日々「いかにして付加価値を提供するか」を考えています。

まとめ

といったところで、まとめると、次の通りです。

  • 商社が商流(ビジネス)から排除される事態は、実際に起こる。
  • 商社がビジネスに介在できるのは、マージンに見合うだけの付加価値を提供しているから。
  • 商社が提供する付加価値が小さくなると、ビジネスから排除される危険性が生じる。

それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、有難うございました。

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