おはようございます、ゆーじです。
商社といえば、どんなふうに仕事をしているイメージがあるでしょうか。世界を股にかけてビジネスをして、投資案件で新聞に社名が挙げられる、、そんな華やかなイメージがあるかもしれません。
でも、実は商社の立場は弱いことが多いんです。
そんな立場が弱い商社について、現役商社マンの私が述べていきたいと思います。
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商社の立場が弱い理由
商社の立場が弱い理由としては、ずばり自社では製品を作っていないことが原因だと思います。
自社では製品を作っていないため、製品を供給してくれるサプライヤーに対して力関係上あまり強くはなれません。
なぜなら、製品の供給を止められたら、商売ができなくなってしまうからです。
さらにいえば、自社で製品を作っていないため、技術的な知識などを持っておらず、顧客に対して製品を販売するにも、サプライヤーの支援(マニュアルの作成や製品不良が発生した時の解析など)が必須です。
このような状況のため(普通は買主の方が立場が強くなるはずなのですが)あまりサプライヤーに対して強くものを言えないことが多いです。
大手のメーカーがサプライヤーの場合、「サプライヤーは製品を売ってあげている」「商社は製品を買わせていただいている」という関係になることもしばしばです。
こんなときには、商社マンはサプライヤーの機嫌を損ねないように気を遣って仕入れを行っていたりします。
じゃ、顧客に対してはどうかというと、当然のことながら顧客の方が立場が強いです。
そのため、商社はサプライヤーと顧客との間で板挟みになることがよくあります。
板挟みになってしまうと、なかなか大変です。
わがままの顧客の要望をサプライヤーにつなげようとするけれども、頑固なサプライヤーは言うことを聞きません。
顧客は「金を払っているんだから、うちの要望をかなえて」と言い、サプライヤーは「それは御社と、御社の顧客の問題でしょ」と平気で言ってきます。
さらに言えば、競合他社の存在もありますね。
つまり、他の商社の存在です。
顧客としては、製品が滞りなく供給されれば良いわけですから、極端に言えば、間に入っている商社がどこであっても良いのです。
つまり、同じメーカーの同じ製品を購入できるならば、商社Aを使っても商社Bを使っても良いのです。
そうすると、商社AとBの競争となり、どちらの方が付加価値を提供できるかや、あるいはどちらが安くできるか(商社の儲けであるマージンを削れるか)みたいな競争が始まるわけです。
この「自社の代わりとなる他の商社が存在してしまう」という状況も、商社の立場が弱くなる原因の1つですね。。。
さらには、ビジネスを始めた当初は、「サプライヤー ~ 商社 ~ 顧客」という流れで取引をすることに合意していたのに、ビジネスの規模が大きくなってくると、「商社がいるとマージンを取られるから代金が高くなって邪魔だよね」と思われ、商流から外される(サプライヤーと顧客が直接取引をする)という事態にも見舞われることもしばしばあります。
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●商社が退場させられる話【商社もなかなか大変です】
このような状況の中で、商社マンは、自社の利益を確保するため、
「どうやったら状況を打開できるのか」
「いかに自社のバリューを発揮するのか」
を考え、悪戦苦闘しているのです。
例えば、商社金融機能を発揮するのか、あるいは、在庫調整機能を発揮するのかなどですね。
できればこういった機能は発揮したくないのですが(使用資金が増えて金利がかかったり、または不良在庫をかかえてしまうリスクがあるため)、なんとか「お役立ち」をしなければ、最悪の場合、ビジネスから退場させられる危険性があるため、商社マンは今日も頭を悩ませているのです。。。
製品を作らないことのメリットもある。
ただ、製品を作らないことについてのメリットもあります。それは次の2つ。
- 設備投資にお金をかけなくて済む。
- フットワーク軽く、新しい商材に乗り換えられる。
商社は設備投資しなくて済むので、他の部分(他社を買収するなど)にお金をかけることができます。これは大きなメリットだと思います。
さらに、製造設備を持たず、自社の製品を持っていないため、市場の動向を見て、「儲からないな」と思えば、別の商材に乗り換えられるところも大きな強みになります。
上記より、商社は立場が弱いからこそ、メリットも持っている、といえそうです。
まとめ
といったところで、まとめると次の通りです。
- 商社の立場が弱いことは多い
- サプライヤーに対しても顧客にも対しても立場が弱いことがある
- 商社の立場が弱い原因は自社で製品を作っていないからだと思う
- 自社で製品を作らないことのメリットもあると思う
それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、有難うございました。
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