商社の仕事といえば、トレードや投資ですが、それを行うためには数多くの部署が協力し、それぞれの仕事を果たす必要があります。そんな各部署の仕事内容はどんなものがあるのでしょうか?今日は商社の中にある部署の仕事内容について、書いていきたいと思います。
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商社の仕事内容
たいていの場合、商社は、数多くの部署を持っていて、それぞれの部署が「その領域のプロ」として仕事を行っています。では、主にどんな部署があるのかというと(会社によって名前はまちまちですが)ざっくりとこんな感じです。
- 営業
- 経営企画
- 財務
- 経理
- 人事
- 総務
- 法務
- 内部統制、コンプライアンス
- 与信管理
- 物流
- システム
こうやって見ると、かなり色々な部署がありますね。ということで、それぞれの仕事内容について、書いていきます。
営業
やはり商社といえば、営業ですね。商社に入社してくる人の大半は営業志望なので、花形の部隊といっていいでしょう。配属される営業部署によって、どんな商材なのか、輸入業務をやるのか輸出業務をやるのか、といったことに違いはありますが、商品を仕入れて販売し、利益を生み出す重要な部隊です。
自分が扱う商材の知識はもちろんのこと、業界の慣習や商品の相場をしっかりと頭に叩き込んで、世界を相手に戦って、利益を持ち帰ってくる彼らこそ、世間でイメージされる「商社マン」なんだろうと思います。
その営業がどんな業界や取引先を相手にしているかにもよりますが、基本的には体育会系な印象です。
経営企画
社長や役員といった経営陣とともに今後の戦略を練る部隊です。各事業部(営業部)があげている数字(売上・利益)などのデータを基に、「どの分野をもっと攻めるのか」など考えて、各部署に伝え、経営の意思を社内に浸透させます。
また、社内ルールを新設・改廃し、各部署が適切に業務を行えるようにするのも彼らの仕事ですね。
基本的に、各部署で鍛え上げられたベテランが配属されているため、年齢層が高めの印象です。
財務
いかに有利な金利で銀行から資金を調達するかということを考え、交渉している部隊です。また、他社からの入金や、支払いのために出金などを管理している人たちでもあります。
さらに、世界を相手に戦う商社は、通貨の為替レートで損が発生するリスクを抱えてるのですが、この為替リスクをいかに無くすかということも彼らの使命の一つです。
銀行と付き合っているためか、なんとなく銀行マンっぽい雰囲気を漂わせている気がします。
経理
企業が活動を行えば、必ず数字が動くわけですが、その数字を管理するのが経理の仕事です。商品をいくらで仕入れて、いくらで販売し、その結果いくらの利益となったのかを記録し、さらには、営業が出張や接待で使った費用などの諸々の費用を計上して、最終的に有価証券報告書という資料にまとめ上げる、ということをやっています。
営業の人との間で「出張の時にかかった、この代金は経費になるのか?(支払った代金を会社は補填してくれるのか?)」「領収書が無いと経費になりません」「そこをなんとかしてほしい」「ダメです」みたいな会話をしているのは、いつものことです。
人事
「人」に関することの諸々について仕事している部隊です。人事といえば、新卒採用が真っ先に思い浮かぶ人が多いと思いますが、それだけではありません。
中途採用や、給与計算、海外駐在員の支援、人事制度の設計・改良、さらに最近だと、「働き方改革」の推進などなど、意外と(と言うと失礼ですが)働いている部隊です。
働き方改革の旗手として立ち振る舞っている割には、彼らもかなり長時間残業をしているなど、皮肉にも自己矛盾してしまっている人たちです。
総務
諸々の雑務(というと語弊があるかもですが)を取り仕切っている部隊ですね。文書管理がどうとか、会議室の使い方がどうとか、消防訓練がどうとか、そんな場面で出てくる人たちです。
個人的には、優しい人たちが多いイメージがあります。
法務
取引先との契約書の作成やチェックを行い、裁判といった紛争の対応を行うなど、法律のプロフェッショナルが集まっている部隊ですね。日本語の契約書から英語の契約書まで何でもござれの彼らは、投資案件などでも法的分野から会社を支えています。
法務の人々は、その仕事柄ゆえか、職人気質な人が多いイメージです。
内部統制、コンプライアンス
各部署が社内ルールや法律に則った仕事をしているかを監督し、違反事例を見つければ、その是正のために働く部隊です。最近は世間的にも「コンプライアンス」を重視するようになってきているので、彼らの役割の重要性が年々大きくなっていると思います。
ルールを守るために、だいたい小うるさいことを言いがちなので、あまり営業部隊などから好かれていないような気がしますが、嫌な顔をされても働き続ける彼らのメンタルの強さには感心します。
与信管理
取引先に対して与える信用を管理する部隊です。つまり、取引先の財務状態を分析し、「これくらいの規模なら売掛金を増やしても大丈夫だろう」と判断し、その規模の中で各事業部の取引を収めさせるように管理する部隊です。彼らがいなければ、破綻寸前の危ない取引先に対して大きな商売をしてしまい(売掛金を大きくしていまい)、取引先が倒産した時に莫大な不良債権を抱えることになってしまいます。
個人的には、取引先の財務諸表を見て財務分析を行う人たちなので、数字に強いイメージがありますね。
物流
効率的なロジスティクスを考え、あるいは、商品を寄託する倉庫の管理を行い、さらには、保管中や輸送中の商品が万一棄損してしまったときに備えて損害保険を手配する部隊です。
ある意味、貿易を行う際の肝となる部分を扱っている部隊であり、商社ならではの部隊といえるかもしれません。
システム
社内システムを取り扱い、管理する部隊です。今日では、かなりの業務がシステム化されているので、そのシステムを管理する部隊は、何気に重要だったりします。
社内システムと一言でいっても、経理や伝票処理に関するシステムから人事の給与計算のシステムまで様々なシステムがあるので、広範な知識が必要とされていそうな気がします。
部署を異動すると別の会社?
上記で挙げた主な部署だけでも数多くの部署があることが分かりますが、それぞれがやっている仕事は全然違います。そのせいか、各部署の雰囲気もかなり違うし、飲み会のお作法まで違ったりします。
私が知っている当社の社員によれば、「社内での異動」は、もはや「社内転職」といえるのだそう。その社員は、異動前の部署での仕事が全然合わず、異動することになったらしいのですが、異動後の部署は快適そのものらしく、顔色まで変わっていました。
さて、いかがでしたでしょうか。今日は商社の仕事内容(部署)について書いてみました。
それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、有難うございました。
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