法務

下請法に気をつけるべき理由【うっかりしていると危険です】

投稿日:2019年7月31日 更新日:

下請法に気をつけるべき理由【うっかりしていると危険です】

企業で働いていると、色々な法律が関わってきます。そんな法律の中でも下請法はご存じでしょうか。この下請法については気をつけないと思わぬダメージを受けることになるかもしれません。今日はそんな下請法について述べます。

スポンサーリンク

ちなみに、下請法の正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」といいます。
・・・長いですね。

下請法に気をつけるべき理由

下請法に気をつけるべき理由

下請法に気を付けるべき理由は次の3つです。

  1. 知らず知らずのうちに違反している可能性がある。
  2. 違反すると罰金がある。
  3. レピュテーションを棄損する恐れがある。

1.知らず知らずのうちに違反している可能性がある。

下請法は、資本金3億円を超える企業が、資本金3億円以下の企業との間で特定の類型(※)の取引を行う場合に適用される可能性があります。

※「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の4つの類型の取引が該当します。

例えば、コンビニチェーンがプライベートブランドのプリンの生産を食品メーカーにお願いする取引は、「製造委託」に該当します。

下請法が適用された場合、所定の事項を定めた注文書を必ず交付し、代金を「納品後60日以内」に支払わなければならない等の規制が発生します。このため、代金を「検収後60日後」に支払っていたり、「月末締め翌々月末」で支払ったりすると、(簡単に)違反してしまうことになります

他にも、うっかり違反してしまう可能性があるものとしては、注文書に「代金の振込手数料を下請事業者に負担させる」旨を記載していないのに、振込手数料を下請事業者に負担させてしまうことも挙げられますね。
気を付けないと、気づかないうちに「法律違反」をしてしまうことになります。

2.違反すると罰金がある。

また、違反した場合には法定の罰金を支払わなければならない場合があります。その罰金金額は「最高50万円」です。金額としてはあんまりインパクトが無い(特に大企業にとっては)ようにも思えますが、これ以上に恐ろしいのはやはりレピュテーションへの影響でしょうね。

3.レピュテーションを棄損する恐れがある。

下請法に違反すると、それがたとえ「うっかり注文書を出し忘れていた」というような場合であったとしても、法律に違反することには間違いないため、企業のレピュテーションを棄損する恐れがあります

さらにいえば、公正取引委員会が違反した企業名を公表することもあるので、より一層レピュテーションへの影響は大きいと思われます。実際、過去に「誰もが知る有名企業」が公正取引委員会のホームページで「下請法の違反企業」として公表されたことが何度もあります。

参考:公正取引委員会ホームページ

まとめ

以上より、次の3つの理由から、下請法は十分に気を付けるべきです。

  1. 知らず知らずのうちに違反している可能性がある。
  2. 違反すると罰金がある。
  3. レピュテーションを棄損する恐れがある。

「うっかり法律違反していた」なんて事態は避けたいものです、本当に。

それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、有難うございました。

[あわせて読みたい]
契約書あれこれ【豆知識です】
契約書独特の表現【慣れるまで大変です】

一度きりの人生、後悔したくないのなら↓

意外と知らない?転職活動のメリット

-法務
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

契約書の「合意管轄」とは【余計な争いを防ぐためにきっちり定めましょう】

契約書を読んでいると、必ず出てくる規定として、「合意管轄」に関する規定があります。たまに、そのような規定が無い契約書もありますが、もしあなたが契約交渉中の契約書がそうならば、しっかりと「合意管轄」の規 …

秘密保持契約を交渉する際のポイント【元法務部員が語ります】

企業が結ぶ契約の中には「秘密保持契約」というものがあります。英語だと「Non-Disclosure Agreement」とか「NDA」とかっていうやつですね。これは、企業間で秘密情報のやりとりをするに …

商社法務の仕事【契約書の作成から紛争対応まで色々やっています】

商社の法務ってどんなことを考えているのでしょうか?法務と言えば、契約書の作成や、裁判などの紛争についての対応などが思いつかれるかもしれませんが、実際はどうなんでしょうか。今日は、少しマニアックですが、 …

法務職がオススメの理由【法務経験者が語ります】

みなさんは「法務」と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。「法律に関係するんだろうなぁ」「なんだか難しそう」みたいな印象を持つかもしれません。でも法務職は、誰でもやってみることは可能ですし、上手くハ …

契約書あれこれ【豆知識です】

会社に入って仕事するようになると、契約書というものを見ることが多くなります。みなさんは契約書について詳しいでしょうか?今日は、過去に法務部に配属になって何年間か法務として働いた私が、契約書(国内の契約 …