おはようございます、ゆーじです。
あなたはこんな疑問をお持ちではないでしょうか?
- 商社はどんなビジネスをしているの?
- 商社に入るとどんな仕事を任せられるの?
そんな疑問に対して、現役商社マンの私がお答えしたいと思います。
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商社の仕事内容とは
商社のビジネスは「トレード」と「事業投資」の2つに大別されます。
1.トレード
トレードとは、端的に言えば、モノの売買のことです。
「商品を安く仕入れて、高く売る」という商売の基本とも言えるビジネス形態であり、商社の伝統的なビジネスとして位置づけられています。
例えば、自動車を1台150万円で仕入れて、これを170万円で売れば、差額の20万円が商社の収入になるわけです。
ちなみに、この差額のことを「マージン」などと言ったりする場合があります。
さらに、トレードにも様々な形態があり、
- 日本の製品を日本企業に販売する国内取引
- 日本の製品を海外に輸出する輸出ビジネス
- 海外の製品を日本に輸入にする輸入ビジネス
- 海外のA国の製品を海外のB国に販売する三国間貿易
があります。
様々な取引形態がありますが、「安く仕入れて、高く売る」ことで利益を得るという点では、全て同じです。
トレードの利益を大きくしようとするならば、マージンの金額を大きくすることも考えられますが、マージンを得る回数を増やすことも1つの手段です。
例えば、
「原材料メーカーAが原材料を作り、
部品メーカーBはその原材料で部品を作り、
テレビメーカーCがその部品を使ってテレビを作る」
という一連のサプライチェーンがあったとします。
ここで商社がより多くの利益を得ようとするならば、
「メーカーAから原材料を買ってメーカーBに売ること」
によりマージンを得るだけではなく、さらに、
「メーカーBから部品を買ってメーカーCに売ること」
でもマージンを得れば良いのです。
つまり、一連のサプライチェーンにおいて、商流に何度も介在すれば「安く仕入れて、高く売る」という行為を行う回数が増えるため、商社の利益が増大します。
だからこそ、「川上から川下まで」という言葉で表されるように、商社は、一連のサプライチェーンに介在しようとするのですね。
2.事業投資
事業投資とは、その名の通り、事業に投資することです。
「事業に投資する」と一言で言っても、そのやり方は色々あります。
例えば、
- 事業を譲り受ける
- 他社を丸々買収してしまう
- 他の企業と共同してジョイントベンチャーを作る
などなど。
さらには、単に買収などをするだけではなく、商社から経営者を派遣して実際に経営に手を出すことにより、買収先の利益を増大させたり、企業価値を向上させたりもします。
こうやっていく中で、商社としては、買収先から得られる配当や、企業価値が向上した買収先企業を売却することによって、利益(売却益)を得ます。
もちろん、「買収したけれど想定していたほど利益が得られず、むしろ損をしてしまう」というケースもあります。
「投資」ですから、どうしてもマイナスが生じてしまうリスクはありますが、成功すれば、大きな利益を得られるのが事業投資の特徴です。
まとめると、「トレードで手堅く稼ぎつつ、事業投資で大きな利益を狙う」のが商社のビジネスといえるでしょう。
商社マンとしての仕事内容
ここからは、個人にフォーカスして、商社に入るとどんな仕事を任せられるのかについて考えてみます。
結論、人によって千差万別です。
その理由は、「商社」といっても、その中には沢山の部署がありますし、1つの会社として利益をあげるためには、様々な仕事をやる必要があるからです。
例えば、あなたが営業部に配属され、トレードを担当することになれば、製品の仕入れや販売、製品に関するクレーム対応などを任されるでしょう。
あるいは、事業投資を担当することになれば、投資先との契約交渉であったり、投資先の管理(売上や利益といった数字の把握など)や、投資先の状況を経営層に報告したりすることを任されるでしょう。
もしくは、そもそも営業部に配属されず、コーポレートに配属されるかもしれません。
コーポレートにも様々な部署・職種があります。
- 各部署や各子会社の売上などの数字をまとめ上げる経理。
- 税金を計算し、あるいは節税策を考える税務。
- 給与計算や人材採用に奔走する人事。
などなど。(※他にも沢山あります)
どの部署に配属され、どの仕事を担当するかによって、
「ひたすらエクセルに数字をまとめる」
「税法を勉強しつつ節税策を考える」
「採用セミナーで駆け回る」など、
自分が実際にやる仕事は大きく変わってきます。
このように、同じ会社であっても、人によってやっている仕事は全然違います。
・・・そういえば、社内で異動した先輩社員が「仕事も働き方も全然違う。まるで転職したようだ」と話していましたね。。。
総合商社の仕事内容は分からない!?
上記の通り、個人レベルで考えると、商社での仕事は千差万別なわけですが、総合商社ともなれば、さらに輪をかけて仕事内容が異なってきます。
総合商社は、様々な業界でビジネスを行い、多種多様な商材を扱っています。
総合商社が扱うものと言えば、コメ、トウモロコシ、大豆、コーヒー、酒、石油、電子機器、飛行機、ヘリコプター、プラント、果ては防衛機器(軍事製品)まで、列挙しても列挙しきれません。
同じトレードをやるにしても、例えば「飛行機を扱うのか、石油を扱うのか」によって、注意すべきポイントや業界での常識は異なりますし、付き合う取引先の雰囲気や働き方まで変わってきます。
事業投資であっても同じですね。
「どういった業界のトレンドがあり、どこに投資すれば儲かるのか」みたいな話は、業界が異なれば、大きく変わってきます。
コーポレートであっても、例えば、法務であれば、どの商材を扱う案件かによって、契約書を読む際に注意すべきポイントや、「譲れる契約条件・譲れない契約条件」も変わってくるわけです。
このように、総合商社ともなれば、人によって、扱う商材・付き合う業界・考えていること・働き方などが全然違うわけであり、他の人が何をやっているのかをすべて把握することは困難です。
総合商社に勤める商社マンが「自分の会社が何をやっているのか」と聞かれたならば、自分が担当している仕事については話せるでしょうが、会社全体でやっていることを全て把握している人は、恐らくいないんじゃないでしょうか。。。
よく学生さんが「商社は何をやっているのか分からない」と言っていたりするみたいですが、ある意味、それは当然だと思います。
だって、そこに勤める人間でさえ、よく分かっていないのですから。笑
(まぁ、考え方を変えれば、それだけ様々なことをやっている会社だと言えたり、やれることが多い会社であるとも言えますが・・・)
まとめ
といったところで、まとめると次の通りです。
- 商社のビジネスは「トレード」と「事業投資」の2つ。
- トレードは、安く仕入れて高く売ることで儲ける。
- 事業投資は、投資して配当や売却益で儲ける。
- 個人レベルで見ると、仕事内容は人によって千差万別。
- 「商社は何をやっているのか分からない」は、ある意味、当然だと思う。
それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、ありがとうございました。
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