会社に入って仕事するようになると、契約書というものを見ることが多くなります。みなさんは契約書について詳しいでしょうか?今日は、過去に法務部に配属になって何年間か法務として働いた私が、契約書(国内の契約のもの)について、色々と述べていきたいと思います。
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契約書あれこれ
契約書について、今日は下記3点を述べたいと思います。
- 契約書の題名は関係ない。
- 契約書は「さかのぼって」発効させることができる。
- 紙にきちんと書いていなくても(口頭でも)契約は成立する。
1.契約書の題名は関係ない。
世の中には色々な名前の紙面が飛び交っています。例えば、「売買契約書」や「取引基本契約書」「業務委託契約書」というものは、名前に「契約書」とついているので「契約書なんだな」とわかりやすいです。
しかし、「覚書」「合意書」「念書」「確認書」などといったものも、当事者の合意事項が書いてあり、かつ、当事者全員の署名・押印があれば、立派な契約書として成立します。
よく「覚書だと契約書みたいな効力は無いんでしょ?」「契約書と覚書なら、契約書の方が優先するよね?」みたいなことを言っている人がいますが、そんなことは無いです。覚書であっても他の契約書と変わらない効力・重さなので注意が必要です。
2.契約書は「さかのぼって」発効させることができる。
契約書はさかのぼって発効させることが可能です。つまり、例えば、今日は2019年7月29日ですが、2019年7月1日から契約を有効とすることが可能なのです。
契約書の条項としてはこんな感じですね。
第10条(有効期間) 本契約は、2019年7月1日に遡及して発効するものとし、1年間有効とする。
ただ、契約をさかのぼって発効させることは、思わぬトラブルの原因になるので、あまり良くないです。また、契約書の署名欄の上にある日付(契約締結日)はさかのぼってはいけません。実際に契約を締結した日を記載しましょう。
3.紙にきちんと書いていなくても(口頭でも)契約は成立する。
契約というのは一種の「約束」ですから、契約書というものを作っていなくても契約は成立します。そのため、うかつなことを取引先に話してしまったりすると、不利な契約が成立してします危険があるので、ビジネスの場では慎重に発言するようにしましょう。
とはいえ、ビジネスの話なら、契約は口頭のみで済まさず、書面(契約書)を取り交わすことが絶対に良いです。口頭のみだと、後日になって「あのときは~と言っていた」「いや、言っていない」などと争いの種になるからです。
さて、いかがでしたでしょうか。今日は契約書に関する豆知識を書きました。読んでいただいた方にとって、何かの参考になれば幸いです。
それでは、今日はこのへんで。読んでいただき、有難うございました。
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