おはようございます、ゆーじです。
先日、下記のようなツイートをしました。
- 商社って企業文化が古かったりする。
社内の重要文書の回覧やら、稟議の回付なんかは偉い人の判子が必要になる。
「常務が押印したら専務が押印して、次は社長に…」みたいに書類をリレーしてるから時間がかかるし、「今週は社長が出張中だから、進みません」なんてこともしばしば。
なんだかなぁ。
今日は「商社業界って古い業界なの?」という疑問に対して、現役商社マンの私がお答えしたいと思います。
スポンサーリンク
商社業界は古い業界です
はっきり言って、商社業界というのは「古い業界」だと思います。
いくら「グローバル」だとか、「海外企業に対する競争力を持つための改革」だとか言っても、やっぱり商社は、古くからある日本企業なのです。
商社は、明治時代に「外国商館から貿易を日本人の手に戻す」ために作られましたし、さらに三井物産などにいたっては、江戸時代の商店に源流があったりするので、実はかなり古い歴史を持っているんです。
なので、仕事のやり方もやっぱり古いんですよね。
デジタル化を進めてはいるものの、やっぱり「紙の文化」が根強いし、社内文書の回覧だとか稟議だとかは、社長などの経営陣のハンコを順番についていくので時間もかかります。
【2020年5月追記】
最近だと、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が浸透したため、ハンコ文化にも変化が起きています。
実際に押印するのではなくて、メールでの代用や、電子承認システムの導入が進み、その部分については「新しくなった」と言えそうです。
あるいは、根っからの日本企業なので、日本人的な「空気を読む」だとか、「年功序列(的な雰囲気)」だとか、はたまた「宴会芸」だとか、そういったものが強く残っています。
上記のような部分は、「良くもあるし悪くもある」ところだと思うので、一概に否定する気にはなりませんが、近年の「ダイバーシティ」重視の世間の流れからすると、まだまだ変わっていない部分のように思えるのが正直なところです。
海外企業とのスピードの差
私は、今まで様々な海外関係の案件に関わってきましたが、商社側って「スピードが遅いな」と思うことが多いです。
海外企業だと、一人または数名のキーパーソンがいて、そういった人たちに決裁権が与えられていて、物事を迅速に決めてたりします。
それに対して商社側はというと、上記の通り、偉い人たちに書類を回して、そこに順番にハンコをついてもらって、それが全部終わってからやっと「会社としてOKです」と言えるんですよね。
しかも、ハンコが必要な人が出張などしていて不在になっていると、そのためだけに会社としての意思決定が遅れるし、というか、そもそもそんな偉い人たちに回すための書類(社内文書)を作ることで時間がかかったりします。
これでは、海外企業との意思決定のスピードで勝てるはずもなく、たいていの場合、海外企業から「早くして」「何をやっているんだ」などと急かされる立場になります。
まぁ、上記のようなスピードの遅さというのは、商社のみならず、だいたいの日本企業に言えることだとは思いますけどね。。。
責任を負いたくない?
多くの日本企業において同じことがいえると思いますが、商社においても、なかなか迅速な判断ができないのは、あるいは、迅速な判断ができるように制度を変えたりしないのは、意思決定をするような偉い人(経営者)が「責任を負いたくない」からじゃないかと思ったりします。
つまり、何かを判断する際に意思決定者を多くするのは、いざ何か問題が起きた際に「責任をうやむやにできる」ということです。
もし、役員一人だけで案件を判断して、その案件が失敗してしまったら、明確にその判断をした役員が悪いじゃないですか。
そういった「はっきりとした責任」というものを避けたくて、意思決定が遅くなる制度(社内ルール)のままにしているような気がします。
もちろん、案件を判断する人を増やした方が、より多角的に考えて決断ができますし、あるいは、一人にすべてを判断させてしまうと「暴走」してしまう危険性もあるので、悪い面ばかりではないんですけどね。
まとめ
といったところで、まとめると次の通りです。
- 商社は良くも悪くも古い会社
- 海外企業と比べると意思決定スピードは遅い
- もしかしたら偉い人は責任をとりたくないのかも
それでは、今日のところはこのへんで。読んでいただき、ありがとうございました。
[あわせて読みたい]
●商社は激務なのか【激務だけど慣れます】
●商社は飲み会が多い?【結局は人によります】
一度きりの人生、後悔したくないのなら↓